【本当に分かる?】重さが違う2つの物体、速く落ちるのはどっち?
パパ塾挑戦中、ウクレレ大好きレレパパです。
ピサの斜塔の話?
※本記事の作成時点:長女(小3)、次女(年長)
突然ですが、クイズです。
形や大きさが全く同じ2つの物体があるとします。
とりあえず、球体にしておきましょう。
これら2つの球体は、重さが違います。
さて、このように大きさが同じで重さが違う2つの球体を高い場所から同時に落としたとすると、どちらが速く落ちるでしょうか?
なぞなぞではなく、物理の問題として考えてみてください!
有名なピサの斜塔の問題
上のクイズは、ガリレオ=ガリレイがピサの斜塔で実験したとされる有名な問題です。
※本当は実験していないという説もあるようですが。
ガリレオ=ガリレイは、当時の大方の予想に反して2つの物体が「同時に」地上に落下することを実証してみせました。
とうわけで、上のクイズの答えは「同時に落ちる」……
……では面白くありませんね!
本当に同時に落ちますか?
僕は、2つの球体は同時には落ちないと思います。
空気抵抗?
いえいえ、空気抵抗は無視しても無視しなくても、どちらでも構いません。
単純な思考実験をしてみましょう。
条件は以下のとおりとします。
◆ 球体A……バスケットボール
◆ 球体B……ヘリウム入りの風船
これらの球体A(バスケットボール)と球体B(ヘリウム入りの風船)を、ピサの斜塔のてっぺんから同時に落としてみましょう。
球体Bは、そもそも落ちません(笑)
そもそも落ちないということは空気抵抗は関係ありませんね。
球体Bに少しずつ重りをつけていくと、ゆっくりと落ち始めます。
つまり、結論はこのようになります。
大きさが同じで重さが違う2つの球体では、重い方が速く落ちる。
不思議ですね!
どうして重い方が速く落ちるのか?
ここから下には、「ヒント①」、「ヒント②」、そして「答えの種明かし」の順で書いてあります。
ご自分で考えたい方は、ここで画面のスクロールを一旦ストップしてください。
ヒント①
この現象のヒントは「浮力」です。
お風呂で体が軽くなるアレ。
空気中や液体中に物体を置くと、その物体には浮力がはたらきます。
このクイズの場合、球体は空気からの浮力を受けることになり、その浮力の大きさは球体の体積によって決まります。
今回の2つの球体は形も大きさも同じですので、同じ大きさの浮力がはたらくことになります。
ヒント②
この現象のもう一つのヒントは「重力加速度」です。
物体が落下するスピードの変化は「重力加速度」によって決まります。
「重力加速度」は物体の質量によりませんので、「重力加速度に起因する力(重力)」だけを受ける2つの物体は、同じ速さで落下します。
さてさて、今回の2つの球体は、それぞれ「重力」しか力を受けていないのでしたっけ??
答えの種明かし
なぜ、重い球体の方が速く落ちるのか、その理由は以下のとおりです。
球体の質量\(m\)、重力加速度\(g\)とおくと、球体に対してはたらく「重力」は\(mg\)になります。
また、球体に対してはたらく「浮力」を\(F\)としておきます。
重力\(mg\)と浮力\(F\)は、上下反対向きにはたらいています。
ですので、球体に対してはたらく力\(f\)は、重力\(mg\)と浮力\(F\)を差し引きして、以下のようになります。
$$ f = mg – F $$
重力も浮力も、人間の目には直接は見えず区別がつきません。
そうすると、人間は、重力\(mg\)と浮力\(F\)を差し引きした力\(f\)を「見かけ上の重力」と見てしまいます。
「重力」は「質量」に「重力加速度」を掛けて計算されることは上で述べました。
同様に、「見かけ上の重力」は「質量」に「見かけ上の重力加速度」をかけて計算できると思いませんか?
それを表すために、上の式を変形してみましょう。
$$ f = m(g – \frac{F}{m}) $$
つまり、「見かけ上の重力加速度」は下のように表されます。
$$ g – \frac{F}{m} $$
さて、もともとの「重力加速度」は\(g\)でしたから、球体の質量\(m\)は全く関係ありませんでした。
これなら、ガリレオ先生の言ったとおり、重い物体も軽い物体も同時に落下します。
ですが、この「見かけ上の重力加速度」には質量\(m\)が入っています!
ここで、質量\(m\)が十分に大きければ、\( \frac{F}{m} \)がゼロに限りなく近づきますので、「見かけ上の重力加速度」は\(g\)に限りなく近づきます。
このように「見かけ上の重力加速度」が\(g\)とほぼ等しくなったのがバスケットボールです。
一方、質量\(m\)が小さくなるにつれて、\( \frac{F}{m} \)は大きくなっていきます。
その結果、「見かけ上の重力加速度」は\(g\)よりもどんどん小さくなっていき、やがてゼロになり、さらにはマイナスになってしまいます。
この、「見かけ上の重力加速度」がマイナスになってしまったのが、ヘリウム入りの風船なのです。
珍しく真面目に仕事をしてるのかと思ったら、ブログに数式を表示させる方法を調べてたのねw
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